どっこい☆どっこい

会社の飲み会で、私は「この中で一番変わっている人」に選ばれた。
いっせーの、の合図で一斉に、最も変わっている人を指すだけの簡単なルールによって、複雑な感情が芽生えた。

とは言え、「変わっている」と言われることに自覚と免疫がある私にとって、それはさほど驚くことはない結果だったが、私が生涯出会った中で、最も変わっている人間が隣に座っていたので、それより多く指を向けられたことに戸惑いもあった。
「この変わり者よりも変わり者だと思われているなんて…」
左に座る自覚も免疫もない変わり者は、私の顔を見て笑っていた。屈辱だ。

しかし、私は変わり者と呼ばれる一方で、左に座った変わり者とは異なり、少なからず共感してくれるポイントがある。そう自負している。例えば、私は自分の中から排出される不要物を眺めることが好きだ。アイボンで目を洗った後は、必ず電気の下へと出向き、液体の中を浮遊する小さなゴミを眺める。鼻水、鼻くそ、うんこ、これらも全てティッシュを広げて眺める。美容室では、雑誌などには目を向けず、切り落とされた髪の毛をじっと見つめて、言えそうな雰囲気なら、それらを触らせてもらう。
圧倒的に少数派ではあるものの、これに共感する人もいる。

他にも、ほぼ毎日、誰にも頼まれていないのにマンションのゴミ置き場を掃除したり、気分転換の一環として陰部を剃毛してみたり、サザエさんの歌をハモってみたり、全てを挙げることは終わりの見えない作業になるので省略するが、どんなに変わっていようとも、所詮は「類友」だと思う。

私には、定期的に会う友人が3人いる。
この数字は少ないのかもしれないが、部屋に篭りがちな37歳の独身男が定期的に会う人間の数としては上出来だ。
しかし、その3人の行動について、私には理解できないことが多い。

Aさんは私をいつも「てんや」に誘うが、提供された天丼の天ぷらを全部、私にくれる。タレにまみれた白飯が食べたいらしい。
さすがに私も「てんや」でライスだけを注文する勇気がなく、しぶしぶ天丼を注文するが、天ぷらだけが2倍に増え、山と積まれた丼を眺ると、脳は喜び胃は萎える。
Bさんは、どこに行っても料理の提供が待ちきれず、先にライスだけを持って来るように注文し、テーブルの上に置いてある胡椒をふりかけて食べる。なければ塩でも構わないと、さらりと言う。どうやらライスはツマミになるらしい。
Cさんは、生まれつき顎がしゃくれており、それを治すための整形手術を行ったが、一緒に海外旅行へ行く際に、空港の金属探知機が顎付近で作動する華麗な技を見せてくれた。ボトルを抜くのは、まだ先だ。

目くそ鼻くそ、五十歩百歩。そんな間柄だからこそ、私は居心地が良いのかもしれない。
しかし、それは会社の人たちも同じことで、私に向けた指の主たちもまた、同じ穴の狢だと言うことを知って欲しい。
だからこそ、なんだかんだ言いながらも、うまくいっているのだから。

ねこ

うまくいっているって感じているのは私だけかもしれないけどな!の巻。

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