風間エレキテル連合

「こら!土曜日だからって、いつまでも起きてないで早く寝なさい」
義妹のアサちゃんが注意をすると、私の甥にあたる11歳の長男は半笑いで言うそうだ。
「いいじゃ~ないのぉ~」
そこでアサちゃんは高い声を出して応戦する。
「ダメよ~、ダメダメ」
甥は手を叩いて笑う。

「ほら、冗談はここまでにして本当に寝なさい」
「いいじゃ~ないのぉ~」
「ダメよ~、ダメダメ」

「って、アンタね、いい加減にしないと怒るよ」
「いいじゃ~ないのぉ~」
「ダメよ~、ダメダメ」

「はい、終わり。寝なさい」
「いいじゃ~ないのぉ~」
「ダメよ~、ダメダメ」

エンドレスな風間エレキテル連合。
最終的に、ダメよ~ダメダメと反射的に言ってしまうアサちゃんが悪いと思う。

「しかもね、お義兄さん、この間は逆もあったんですよ」

「ゲームばっかりしてないで、こっちに来て手伝って」
「今セーブできないから無理」
「いいじゃ~ないのぉ~」
「ダメよ~、ダメダメ」
「本当に手伝って!お母さん一人じゃ大変だから」
「ダメよ~、ダメダメ」
「もう、それ分かったから。本当に手伝って」
「ダメよ~、ダメダメ」
「ゲームは今じゃなくてもできるでしょ」
「いいじゃ~ないのぉ~」
「ダメよ~、ダメダメ」

攻守交替も可能らしい。

11歳の長男や9歳の次男だけではなく、6歳の三男さえもこの台詞を使うらしく、聞けば幼稚園でも流行っているそうだ。
「だからね、お義兄さん、先生たちも困っているみたいなんですよ。園児に、ダメよ!って注意をすると、ダメよ~ダメダメって返って来るって」
そう言ってアサちゃんは笑う。
「お義兄さんから韓国旅行のお土産で頂いたフェイスパックシートを使っている時も、必ず三人のうちの誰かが、いいじゃ~ないの~って声を掛けて来て、私にダメよ~ダメダメって言わせようとするんですよ。白いパックがビジュアル的にも似ているみたいで」

「なんだか楽しそうだね。ところで用件って何?まさか、それを伝えるために電話してきたんじゃないよね」
「あ、そうなんです。この間、横浜から伯父さんとナオコさんが来たじゃないですか。それで、帰る時にナオコさんの荷物が入らないって事になって私のバッグを貸したんです。横浜に着いたら宅急便で送って返すね~って言われたんですけど、まだ返って来ないんですよ…」
「だいたいさ、来た時より荷物が増えるなんて事ある?どうせまた店(風間家は小さな商店をしております)から、お菓子やらシャンプーやら手当たり次第に持って行ったんだろ」
「そうみたいですね…。で、お義兄さんがナオコさんのことを好きじゃないことは、充分過ぎるほど分かっているんですけど、私から言いにくいので、代わりにそれとなく伝えてもらえますか?」
「え~!?やだよ。エミコとかシュンジに言わせなよ」
「お義母さんやシュンジ君には、そもそも、ナオコに絶対に何も貸すなよって念を押されていたんです。戻って来ないからって。でも私の立場だと断れないじゃないですか…」
「そうだけどさー、ナオコに電話したくないなー」
「そこをなんとかお願いできませんか?」
「ダメよ~、ダメダメ」
「いいじゃ~ないのぉ~」
「ダメよ~、ダメダメ」
「いいじゃ~ないのぉ~」
「ダメよ~、ダメダメ。ダメよ~、ダメダメ。ダメよ~、ダメダメ。ダメよ~、ダメダメ…………」

ダメ

ダメなものはダメなのよ!

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